歩き方への考察

人は脊椎を軸として前後・左右のバランスを何らかの形で取り自立している。これが良い姿勢、悪い姿勢という言い方を考える事無く 且つ、誰に教わるものでもなく起立、自立歩行までしてしまう。重力があるからこそ出来る事である。そしてこれは単純に脊椎が無ければ当然出来ない事、すべての動作に関連して脊椎という軸の存在無くしては適わない事、これを学問として説いたものが脊椎軸学。要するに脊椎無くしては挙動動作を起こせないというものである。但し、本来関連するものとして脳神経学を無視するわけにはいかないのですが私は この脊椎軸学を基に 話を続けます。
①~⑦のポイントについて皆様はどのように考えたのでしょうか。考察に多くの時間を費やし質問をされてきた方もおりました。良い姿勢、無の姿勢、様々の言い方がありますが基本的にバランスの取れた姿勢肢位を保持できるか否か という事です。頭頂部に穴を開けて紐様なもので天から吊り下げられた自分を考えてみて下さい。顎は胸鎖関節の上に顎が引かれた状態で、耳郭孔が身体(肩)の前後のだいたい真中(僧帽筋の前縁)位にあり 側面から見ると耳-肩-腸骨稜-大転子-腓骨外果前縁ショパールへ架けて垂線上に位置する事を確認出来る。
そしてこの状態で右足から前方へ歩き出そうとすると重心はやや右前方へ移動し接地した右足-右第一MPJに移動する。このまま歩き続ければ同様に左足へ移動してこれを繰返して行く。ここで身体の上の方の動きはどうなっているのかである。一連性の動きになっているのであるが腕(上肢体として考える)、背部(頚椎-胸椎-腰椎上部)、臀部(腰椎-仙腸部-股関節)、脚部から成る動きである。まず、腕は左右対称に前後への移動がスムーズに行なわれなければならない。肩関節を支点として腕を動かしているのではなく脊椎(胸椎)・肋骨-肩甲骨までもが関連して腕の振りを行なっている。つまりは脊椎を支点として左右の運動に関与し、体幹の末端に肩関節があり、上腕-前腕‐手(肩関節、肘関節、手関節については省略)の一連の運動(左右対立)を行っている。次に 背部では胸椎(肩甲骨と肩甲骨の間)を軸としての左右への回転が起こる。但し、このとき顔は前方を向いており頭部は動かさない状態、背部の動きとは反対の回転が頸部で起きている。勿論、背部と関連して腰部においても同方向への捻転が牽引様に起こり且つ、骨盤側においても特異な運動が起きている。即ち、臀部での運動である。ここで先程の特異な運動であるが、骨盤は仙骨と左右の寛骨から成っており寛骨は腸骨、恥骨、坐骨から結合され一つの骨となっている。仙腸関節は仙骨と腸骨を結びつける耳状の形をした関節で更に前下方の恥骨結合によって動きを単関節とは違い特異とされた関節である。また、体重変化、上体の姿勢変化、下肢の体位変化において当然の如く関わり重要な処である。上体の腰部までの捻転(回転)が仙骨だけの一軸回転から面回転、二軸回転に変化する。極端に言えば動きに対して反対側が軸になり重心位置を変化させながら支点となり左右の均衡を保っている。そして、骨盤の下外部には大腿骨と関節を作る股関節を持つ。この部分にも肩関節と同様に内部の筋肉、外部の筋肉によって人体で最大の関節の運動を司る。そして大腿骨の下方には膝関節、更に下腿骨の下方には足関節、接地側足部にショパール・リスフラン関節、足趾関節らがある。 ここで本題に戻るとするが、まず右脚を前方へ送り出す際、大腿部の筋力で膝を持ち上げそれに伴って足関節、趾部までの関節に着地の為の準備が加わる。そしてこの時 仙腸関節が重大な役割を担っている。まず、左側左背部までの最長・腸肋筋、腸腰筋、大臀筋らの緊張によって左仙腸関節が固定支点となり重心の左への移動が起こり、左仙腸関節前上方へ仙骨側が右仙腸関節を固定、右寛骨側は右脚を持ち上げる為、右仙腸関節の上方回転を伴い一連の動きを成す。また、この時 上体では 背部から腰部にかけて脊椎の捻転が加わり左側が前方へ回転され左の腕は同方向への回転(振り)が起こる。相対して右側については逆回転が働き上体バランスを保つ。 この間に右脚が更に上方へ上がると重心が右前方への移動の準備が整い更に右脚が前方に着地へと進み 重心の移動と共に右脚での接地が起こり重心の完全移動へと進む。
では どうなるのか 右脚からの接地として 履物の種類によっては足の踵側から接地できる場合(素足、ローヒール)と、出来ない場合(ハイヒール等)はあるが 足が接地した時点で重心の移動が速やかに行われ、更に親指の付け根(第一趾MP関節)に体重重心が乗り そして離脱し 左脚への移動となる。ここで“頭頂部より紐様なもので天から吊り下げられた自分を考えてみて下さい。”という文体を思い出してほしい。顎は引かれ胸鎖関節上にあり、出した右足のMP関節上に、更に膝が一直線に伸び、一垂線上 (当然のように腹部は筋力により引かれ胸は張られている/背筋が伸びている) に揃う。つまり 体重・重心移動において顎の高さ引き、胸の張り、腰の張り出し、膝の伸び、足の接地から離脱まで が一連の動作でありそして半体側へと移って行く。後方から見ると臀部に歯切れのよい振りクリッピング現象が現れている。
これが真横から見て美しさの現れるポイントであり 今回のテーマとなっている最重要部分である。
(上記は生理的・機能的に異常の無いものとしての考察である)
姿勢変化は加齢によるものではない と云う事は云うまでも無いが、一人ひとりが努力しなければ成らない事。
歩き方から考えてみては如何なものか。

呼びかけから予定以上に時間が掛ってしまいました。多くの質問、疑問が寄せられました。かなり分かり易く文章にしたつもりです。尚、これは私が学んだ脊椎軸学に基づき過去に文体にした物の一部を一般向けに更に分かり易くしたものです。